1 条例による規制の限界|法律との関係|基本
2 矛盾抵触・例示|法律なし×条例あり
3 矛盾抵触・例示|法律・条例併存×目的が違う
4 矛盾抵触・例示|法律・条例併存×ローカルルール容認
5 条例による罰則×制限|形式的な上限は決まっている
6 拘留・科料|内容

1 条例による規制の限界|法律との関係|基本

地方自治体は,各自のルールとして『条例』を制定できます。
この点『国の規制=法律』との関係が問題になることがあります。
本記事では条例と法律との関係・条例の限界について説明します。

<条例による規制の限界|法律との関係|基本>

あ 条例への委任・範囲|基本

地方自治体は『法令に違反しない限りにおいて』条例を制定できる
→条例が国の法令に違反する場合は効力を有しない
※地方自治法14条1項

い 『違反』判断|基本的事項

法律・条例の比較・対比によって判断する

う 『違反』判断|基準

対象事項・規定文言の対比だけでは判断できない
趣旨・目的・内容・効果を比較する
法律・条例間で『矛盾抵触』があるかどうかによって判断する
※最高裁昭和50年9月10日;徳島市公安条例事件

結局,有効性は『矛盾抵触』で判断される,ということです。
この判例では『矛盾抵触』の判断の例も示しています。
次に説明します。

2 矛盾抵触・例示|法律なし×条例あり

法律と条例の『矛盾抵触』として判例で示された例を紹介します。
まずは『法律がないゾーン』に関するものです。

<矛盾抵触・例示|法律なし×条例あり>

あ 前提事情

条例で規定を定めた
国の法令中に明文の規定がない
『法令がない』ことは『規制を施さない趣旨』である

い 判断

条例の規定による規律は『矛盾抵触』する
→条例は無効となる
※最高裁昭和50年9月10日;徳島市公安条例事件

3 矛盾抵触・例示|法律・条例併存×目的が違う

法律と条例の矛盾抵触の判断について,別の例を紹介します。

<矛盾抵触・例示|法律・条例併存×目的が違う>

あ 前提事情

国の法令と条例が併存する
別の目的による規律を意図する趣旨
条例は法律の目的・効果を阻害しない

い 判断

『矛盾抵触』はない
→条例は有効である
※最高裁昭和50年9月10日;徳島市公安条例事件

4 矛盾抵触・例示|法律・条例併存×ローカルルール容認

法律と条例の矛盾抵触の判断の例として3つ目のものをまとめます。

<矛盾抵触・例示|法律・条例併存×ローカルルール容認>

あ 前提事情

法律・条例の目的は同一である
国の法令は『地方の実情に応じた別段の規制を容認する趣旨』である

い 判断

『矛盾抵触』はない
→条例は有効である
※最高裁昭和50年9月10日;徳島市公安条例事件

以上のように『矛盾抵触』の判断は『ルールの趣旨』が重要になります。
『形式面には現れていない部分』『解釈』が判断に大きく影響するのです。
逆に言えば『条例の有効性判断が明確ではない』ということです。

5 条例による罰則×制限|形式的な上限は決まっている

条例による刑事罰などの規定はより厳格です。
まず,法律上,形式的な『罰則の上限』が明記されています。
さらに,解釈上一定の『限界』があります(上記)。

<条例による刑事罰×制限>

あ 明文規定=法律からの委任

条例違反に対する次の罰則を設定できる
ア 懲役or禁錮2年以下
イ 罰金100万円以下
ウ 拘留
エ 科料
オ 没収
カ 過料5万円以下
※地方自治法14条3項

い 解釈上の制限

国の法令と条例との比較により無効となるリスクがある(前記)
※最高裁昭和50年9月10日;徳島市公安条例事件

罰則は個人の人権侵害に直結します。
そこで判断も厳格になる傾向があります。

6 拘留・科料|内容

拘留・科料は軽い罰則としてよく使われています(前記)。
具体的な内容は刑法で規定されています。
これをまとめておきます。

<拘留・科料|内容>

拘留 刑事施設への拘置1日以上30日未満 刑法16条
科料 1000円以上1万円未満 刑法17条