1 『保険募集』該当性区別基準
2 『保険募集』の定義|監督指針
3 保険契約の締結の代理・媒介|解釈基準
4 募集人との『一体性・連続性』|判断方法
5 『保険募集』に該当しない行為|監督指針
6 保険募集に該当する可能性がある行為|結局曖昧な部分がある

1 『保険募集』該当性区別基準

『保険募集』の該当性判断によって規制の適用が変わってきます。
(別記事『法規制・基本』;リンクは末尾に表示)
本記事では『保険募集』の判断基準・解釈について説明します。
まずは現行法の『保険募集』の判断の概要をまとめます。

<『保険募集』該当性区別基準>

『情報提供』の範囲内 保険募集に該当しない
『特定の保険商品への誘導』 保険募集に該当する

このように『保険募集』の範囲・解釈がやや曖昧です。
この点,保険業法は改正され,平成28年度に施行される予定です。
改正保険業法に伴う金融庁の監督指針を次に紹介します。

2 『保険募集』の定義|監督指針

改正保険業法に伴い,金融庁で監督指針が作られています。
監督指針に『保険募集』の説明があります。

<『保険募集』の定義|監督指針>

あ 保険契約の締結の勧誘
い 保険契約の締結の勧誘を目的とした保険商品の内容説明
う 保険契約の申込みの受領
え その他の保険契約の締結の代理又は媒介

※監督指針II -4-2-1(1)2

この中で判断が曖昧になりがちなのは『え』の『代理・媒介』です。
『代理・媒介』の解釈について,次に説明します。

3 保険契約の締結の代理・媒介|解釈基準

金融庁がパブリックコメントへの回答を公表しています。
この中に『代理・媒介』の解釈についてが含まれています。

<保険契約の締結の代理・媒介|解釈基準>

あ 基本的判断要素

ア 募集人との『一体性・連続性』(※1)
・募集人から報酬を受け取る
・募集人と資本関係がある
イ 具体的な保険商品の推奨・説明を行う

い 基本的判断基準

『ア』+『イ』が該当する
→手数料水準などから総合的に判断する
※金融庁・パブリックコメント『203』

この中で『一体性・連続性』については,次に説明します。

4 募集人との『一体性・連続性』|判断方法

『募集人とセールスをする者の一体性・連続性』の判断方法をまとめます。

<募集人との『一体性・連続性』|判断方法(上記※1)>

あ 紹介料・報酬の金額

紹介料・インセンティブ報酬があっただけでは肯定されない
『高額』である場合
→『具体的な商品の推奨・説明』につながる可能性が高くなる

い 資本関係

役職員の出向・派遣などの人的関係を含む

う 連鎖・連携業務|例

Aが『家計の見直し相談』を行った
Bが募集行為を行った
→Aも『募集行為』に該当する

え 『具体的な商品の推奨』

事案に応じて総合的に判断する
※金融庁・パブリックコメント244,189〜191,193,251,252

5 『保険募集』に該当しない行為|監督指針

監督指針では『保険募集』に該当しない場合を例示しています。

<『保険募集』に該当しない行為|監督指針>

あ 指示を受けた作業

保険募集人の指示を受けて行う,商品案内チラシの単なる配布

い 事務的な連絡・手続

コールセンターのオペレーターが行う,事務的な連絡の受付や事務手続き等についての説明

う 一般的な説明

金融商品説明会における,一般的な保険商品の仕組み,活用法等についての説明
※監督指針II -4-2-1(1)2

6 保険募集に該当する可能性がある行為|結局曖昧な部分がある

以上のような公的な基準を整理しても,基準として不明確なところが残ります。
以上の基準を前提にして,典型的なケースの判断を整理します。

<保険募集に該当する可能性がある行為>

あ 紹介系

ア 特定の保険会社の商品のみを見込み客に積極的に紹介する
イ 保険会社・募集人から報酬を得る
ウ 反復・継続して行う

い 比較サイト系

ア 比較サイトで商品情報の提供を行う
イ 保険会社・募集人から報酬を得る
ウ 具体的な保険商品の推奨・説明を行う

<参考情報>

『週刊ダイヤモンド15年1月17日』p118〜
『週刊ダイヤモンド15年9月5日』p100〜