1 社外取締役|設置義務
2 社外取締役|定義
3 社外取締役×責任|通常の取締役と変わらない
4 社外取締役×責任の一部免除|株主総会決議
5 社外取締役×責任限定契約|定款+契約
6 社外取締役×官製マーケット創設

1 社外取締役|設置義務

会社法の改正により一定規模の会社は『社外取締役』の確保が義務付けられています。

<社外取締役|設置義務>

あ 設置義務

委員会設置会社における委員会
→委員の過半数が社外取締役である必要がある
※会社法400条3項

い 本来の趣旨

慣れ合い・しがらみのない者が会社運営を監督する
→不正・不当行為の抑止につながる

う 副作用=天下り助長現象

実際には天下りを助長する現象も発現している(後記)

2 社外取締役|定義

社外取締役の定義についてまとめます。

<社外取締役|定義>

あ 社外取締役|定義・基本

株式会社の取締役である
現在・過去に,当該会社・子会社の使用人ではない者

い 『使用人』|例

代表取締役
業務執行取締役
執行役
支配人
※会社法2条15号

3 社外取締役×責任|通常の取締役と変わらない

社外取締役は『取締役』としての責任を負います。

<社外取締役×責任>

一般的な取締役としての責任を負う
ア 会社に対する責任
イ 第三者に対する責任
(別記事『役員の種類・権限・責任』;リンクは末尾に表示)

社外取締役は,業務執行に直接関わりませんが,責任は負います。
『監督』が任務なので『監督が不十分』だった場合の結果に責任が生じるのです。
一方,この原則どおりだと優秀な経営者が就任してくれないこともあります。
そこで社外取締役の責任を制限する手段が用意されています。
次に説明します。

4 社外取締役×責任の一部免除|株主総会決議

社外取締役の責任を制限する方法として,株主総会で決議するものがあります。

<社外取締役×責任の一部免除|株主総会決議>

あ 責任の一部免除

当該取締役が善意かつ重過失なし
株主総会による決議がなされた

い 免除の上限
役職 免除できない金額
代表取締役・代表執行役 報酬6年分
他の業務執行取締役・執行役 報酬4年分
他の取締役・執行役 報酬2年分

※会社法425条1項

この手続は,損害が生じた後に株主総会で,責任の制限を判断することになります。
就任する社外取締役としては,将来の株主総会決議の結果が不確実と言えます。
この制度だけでは,責任が制限されるかどうかを不安に思うことになります。
そこで別の制度も作られています。

5 社外取締役×責任限定契約|定款+契約

社外取締役と会社の間の契約で『責任の制限』を固定することができます。

<社外取締役×責任限定契約|定款+契約>

あ 責任限定契約|基本事項

会社と社外取締役は取締役の責任を限定する契約を締結できる

い 責任限定契約|内容

ア 実質的条件
取締役が善意かつ重過失なし
イ 形式的条件
『責任限定』の内容が定款に規定されている
ウ 責任限定の限界
『責任の一部免除』と同じ『免除の上限』が適用される
※会社法426条1項,427条1項

責任限定契約を前提として優秀な経営者の就任を促進することができます。

6 社外取締役×官製マーケット創設

会社法の改正により社外取締役の制度が整備されました(前述)。
これにより会社運営の適正さが確保されることが期待されます。
一方で『マーケット創設』という効果もあります。
社会的な効果・現象が多面的に生じています。

<社外取締役×官製マーケット創設>

あ 社外取締役の待遇の改善

ア 収入(報酬)が多い
イ リスク(責任)が限定される

い 本来予定されている効果

有能・優秀な経営者を迎えることにつながる

う 官製マーケット創出効果

『社外取締役』の義務化→官製マーケット強制創設
責任制限可能化→元公務員就任が助長される効果

え 官製マーケット|例

元公務員が大企業の社外取締役に就任する実例が多い
例;財務,経産,外務,法務,検察のOB