1 デジタル証拠|具体例=メール・メッセージ・SNS投稿など
2 デジタル証拠×特性|まとめ|可読性・改竄・複製・移送の容易性
3 デジタル証拠×予防法務|便利vs証拠力のトレードオフ
4 デジタル証拠|可読性がない×問題点
5 デジタル証拠|改竄・消去が容易である×問題点
6 デジタル証拠|保存が容易・複製が劣化しない×問題点
7 デジタル証拠|移送・複製が容易・迅速×問題点
8 デジタル証拠|提出する方法=証拠方法

1 デジタル証拠|具体例=メール・メッセージ・SNS投稿など

一般的に法的なトラブルにおいて『証拠』が非常に重視されます。
近年は『デジタル証拠』が使われることがとても多くなっています。
本記事ではデジタル証拠の特性などの基本事項を説明します。
まずはデジタル証拠の具体例をまとめます。

<デジタル証拠|具体例>

あ 概要・保管機器

次のような機器・端末に保管されたデジタル情報
・サーバー・PC・スマートフォン
・HDD・SSD・DVD

い 具体例

ア 電子メール・オンラインのメッセージ
イ SNS・掲示板への投稿
ウ 写真・音声・動画・映像
エ 電子カルテ・帳簿
オ アクセスログ

2 デジタル証拠×特性|まとめ|可読性・改竄・複製・移送の容易性

デジタル証拠は『紙媒体の証拠』とは違う特性・特徴があります。

<デジタル証拠×特性|まとめ>

あ 可読性がない
い 改竄・消去が容易である
う 保存が容易・複製が劣化しない
え 移送・複製が容易・迅速

それぞれの内容については順に説明します。

3 デジタル証拠×予防法務|便利vs証拠力のトレードオフ

デジタル証拠の特性の1つが『改竄が可能・容易』というものです。
このことは『証拠としての証明力=証拠力』として反映されます。
事業遂行・日常生活で用いる場合には『便利』と『証拠力』のトレードオフになります。

<デジタル証拠×予防法務>

あ 紙媒体での取引・記録

紙媒体は比較的証拠力が強い
デジタル証拠も『改竄可能性』を押さえる工夫があれば
→証拠力は強くなる

い デジタル・データによる取引・記録

ア 事業・生活上のコスト・手間削減
取引・記録をオンライン・データで行う場合
→費用・時間的コストが大きく下がる
イ 証拠力
『改竄可能性』が高いので『証拠力』は下がる傾向がある
ただし『改竄可能性を下げる』工夫があれば『高い証拠力』を得られる
例;ブロックチェーン・プロトコルの利用=スマート・コントラクト
詳しくはこちら|ブロックチェーン・テクノロジーの普及|既存サーバー・制度をリプレイス

4 デジタル証拠|可読性がない×問題点

デジタル証拠の『可読性がない』という特徴から生じる問題点をまとめます。

<デジタル証拠|可読性がない×問題点>

あ 可読性がない

人間がデータ自体を直接読み取ることができない

い 証拠としての性質の問題

民事訴訟法上の『文書』に該当するかどうか

う 提出方法の問題

どのような方法で提出すべきか

5 デジタル証拠|改竄・消去が容易である×問題点

改竄・消去が容易であるという特性から生じる問題点をまとめます。

<デジタル証拠|改竄・消去が容易である×問題点>

あ 改竄・消去が容易である

改竄の痕跡が残らない

い 信用性低下問題

紙媒体の文書よりも信用性が低い

う 信用性が維持されるケース

改竄が困難である事情がある場合
→信用性は低くならない

え 改竄困難な事情

ア 改竄による矛盾発生
データが膨大になりやすい
→整合的な改竄は難しい
イ 暗号化技術
暗号化技術による改竄防止がなされている場合
→改竄は難しい

6 デジタル証拠|保存が容易・複製が劣化しない×問題点

保存・複製の容易性から生じる問題点をまとめます。

<デジタル証拠|保存が容易・複製が劣化しない×問題点>

あ 保存が容易・複製が劣化しない

紙媒体のような『唯一の存在』というものがない

い 紙媒体における『原本』の役割

紙媒体であれば『原本』がある
『原本であれば記載された情報が正確である』という判断ができる

う デジタル証拠は『原本』がない

紙媒体における『原本』に相当するものがない
→データ自体の論理的同一性の有無が問題となる

7 デジタル証拠|移送・複製が容易・迅速×問題点

移送・複製が容易,という特性から生じる問題点をまとめます。

<デジタル証拠|移送・複製が容易・迅速×問題点>

あ 移送・複製が容易・迅速

データはオンライン・メディアによる送信・移動が容易である
→情報(証拠)を容易に収集できる

い 情報量が膨大になる

情報量が膨大となりやすい
→重要な情報が『埋もれる』現象
=把握が困難となる

う 機密情報の管理

証拠・機密情報の管理が困難となる

8 デジタル証拠|提出する方法=証拠方法

デジタル証拠を実際に証拠として使う場合には『方法』が問題となります。
デジタル証拠の特徴・特性から,ちょっと変わった扱いがなされることがあるのです。
証拠として使用する場合の具体的な方法については別記事で説明しています。
(別記事『音声・Web』;リンクは末尾に表示)
(別記事『アクセスログ・電子カルテ・プログラム』;リンクは末尾に表示)