【遺伝子・ゲノム検査×科学的根拠|学術論文の信用性・再現可能性|法規制】

1 遺伝子検査×科学的根拠|統一的見解・信頼性が不十分
2 サイエンスの根幹|論文の意義=検証実験の機会提供
3 遺伝子検査×科学的根拠→消費者の誤解
4 遺伝子検査サービス×法整備|他の手段での改良が望まれる
5 景品表示法×優良誤認|遺伝子検査は通常該当しない
6 DeNAライフサイエンス|検証可能性確保

1 遺伝子検査×科学的根拠|統一的見解・信頼性が不十分

遺伝子やゲノム検査が普及しつつあります。
肝心の科学的根拠について不十分であることが指摘されています。

<遺伝子検査×科学的根拠>

あ 遺伝子検査の科学的根拠

発症リスクを算出するための理論・判断基準・アルゴリズム
→統一的なものがない
各検査業者or外注先が独自に開発したものを使っている
学術論文で発表された理論も含まれる

い 学術論文の信頼性

学術雑誌に掲載された論文は有識者の査読=審査を経ている
一般的に信頼性が高い
しかし後から否定されることもある
※『週刊ダイヤモンド15年4月25日』p50

2 サイエンスの根幹|論文の意義=検証実験の機会提供

サイエンスに関する一般論として『学術論文』の性格をまとめます。

<サイエンスの根幹|論文の意義>

あ 学術論文の根本的意義=再現可能性

実験などの解析結果を公表する目的
=他の研究者に検証(再現実験)の機会を与える

い 再現実験による検証

他の研究者が検証(再現実験)を行う
→先行論文の内容を覆す論文が発表されることがある

う 再現可能性アップのプロセス

多くの研究者による検証が行われる
→『再現性の精度』が高まってゆく
=サイエンスの知見の蓄積・真実解明

え 参考|再現可能性のない見解

再現可能性がない見解
→『信仰』と同じカテゴリに入る

『査読を経た学術論文』は一定の信用性はあります。
しかしあくまでも『再現可能性アップの過程』に過ぎないのです。

3 遺伝子検査×科学的根拠→消費者の誤解

遺伝子検査の科学的根拠については不十分という部分もあります(前述)。
これについて『消費者の理解』が追い付いていない傾向があります。

<遺伝子検査×科学的根拠→消費者の誤解>

あ 科学的根拠×消費者の認識

消費者は『科学的根拠の信頼性』を理解していないことが多い

い 『学術論文』×消費者の誤解

消費者の中では次のような誤解が多い
『学術論文がある』=『根拠がすでに確立している』(←誤解)

4 遺伝子検査サービス×法整備|他の手段での改良が望まれる

遺伝子検査サービスについては『消費者の誤解』が生じる傾向があります(前述)。
現在の法規制・法整備の状況や今後の方向性についてまとめます。

<遺伝子検査サービス×法整備>

あ 特別な法規制なし

遺伝子検査サービスに関する特別な法規制はない
→『法規制によるクオリティ担保』が働いていない

い 『表示』に関する法規制なし|例

『遺伝子検査』という言葉を宣伝文句に入れること
→規制されていない
→ダイエット商品のセールス・宣伝文句として使用する実例がある
一般的な表示の規制として『優良誤認』があるが通常該当しない(後記)

う 『検査内容』に関する法規制なし

使用する検査内容・理論を指定する法令はない

え クオリティ維持×法規制

クオリティ維持の手段として法規制は適しているわけではない
法規制は最後の手段・やむを得ない場合のみ,と考えるべきである
詳しくはこちら|法規制の目的|情報の非対称性=レモンの市場→サービスクオリティ確保

5 景品表示法×優良誤認|遺伝子検査は通常該当しない

サービスの『表示』については景品表示法の規制があります。
『優良誤認』の定義などを示します。

<優良誤認の内容・規制>

あ 『優良誤認』|定義

表示内容が『い』に該当し,かつ判断妨害『う』にも該当するもの

い 表示内容

次のいずれかに該当する
ア 実際のものよりも著しく優良であるイ 事実に相違する,かつ,競合サービス・商品よりも著しく優良である

う 判断妨害のおそれ

ウ 消費者の判断を妨害するおそれがある

え 措置命令

内閣総理大臣は差止・再発防止の『措置命令』を行うことができる

お 措置命令違反の罰則|法定刑

懲役2年以下or罰金300万円以下
情状により併科もできる
※景品表示法4条1項1号,6条,16条

遺伝子検査は通常該当しないと思われます。
ただし『検査結果の判断が確実である』というような表示がある場合は別です。
『不確実』なものを『確実』と表示したことになり得ます。
優良誤認に該当する可能性も出てきます。

6 DeNAライフサイエンス|検証可能性確保

実際にサービスを提供している事業者のコメントを紹介します。

<DeNAライフサイエンス|検証可能性確保>

大井社長のコメント
『根拠論文をすべてオープンにして検証ができるようにしている』
→信頼性を確保している
※『週刊ダイヤモンド15年4月25日』p50

ユーザーが判断できる情報を提供しているので適法と言えます。
もちろん,消費者がより理解できるような工夫が好ましいです(前述)。

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