1 印鑑登録証明×弁護士会照会|開示の実情
2 原動機付自転車の登録事項×弁護士会照会|開示の実情
3 地方自治体×開示拒否→損害賠償|判例
4 ライフライン×弁護士会照会|開示の実情
5 通信会社×弁護士会照会|開示の実情
6 プロバイダ×弁護士会照会|サイト・アプリ運営者も含まれる

1 印鑑登録証明×弁護士会照会|開示の実情

『印鑑登録証明書』が悪用されるケースも多いです。
法的責任の判断のためには印鑑登録の状況の再現が重要です。
そこで弁護士会照会を活用することもあります。

<印鑑登録証明×弁護士会照会>

あ 照会事項

ア 契約当時の印影
イ 申請書の申請書類
ウ 改印の有無・改印日
エ 登録日・廃止日

い 実情

拒否事例がある
理由=印鑑条例に閲覧禁止規定があること
※『自由と正義11年12月』日本弁護士連合会p28〜

2 原動機付自転車の登録事項×弁護士会照会|開示の実情

自動車・軽自動車については開示手続・運用がしっかりとしています。
一方『原動機付自転車』についてはレアです。
財産的価値が小さいため,あまり使われる件数自体が少ないのです。
弁護士会照会においても『運用のブレ』が見られます。

<原動機付自転車の登録事項×弁護士会照会>

あ 実情

拒否事例がある
守秘義務を理由にしていた
※地方税法22条

い 不合理性

自動車・軽自動車では開示が認められている
→不均衡である
※『自由と正義11年12月』日本弁護士連合会p28〜

3 地方自治体×開示拒否→損害賠償|判例

地方自治体が弁護士会照会を受けることは多いです。
『不当』と思われる理由での開示拒否もありがちです。
この『開示拒否』自体の違法性が認められるケースもあります。

<地方自治体×開示拒否→損害賠償|判例>

あ 事案

地方自治体が,弁護士会照会を受けた
回答を拒否した

い 裁判所の判断

損害賠償責任を認めた
※名古屋高裁平成23年7月8日

4 ライフライン×弁護士会照会|開示の実情

ライフラインの契約内容・名義人は多くの事案で活用されます。
情報の取得方法として弁護士会照会が利用されることも多いです。

<ライフライン×弁護士会照会>

あ ライフライン|例

電気・ガス・水道

い 実情

ア 概要
照会への対応には地域差がある
イ 東京・大阪エリア
『一律に拒否』が多い傾向がある
※『自由と正義11年12月』日本弁護士連合会p28〜

5 通信会社×弁護士会照会|開示の実情

オンラインでの通信が法的責任につながるケースもあります。
その場合『通信記録』によって人物や投稿内容を特定することが多いです。
弁護士会照会の利用の実情についてまとめます。

<通信会社×弁護士会照会>

あ 実情

拒否事例があある
理由=『通信の秘密』

い 通信の秘密|解釈論

当事者間の場合
→『通信の秘密』は及ばない

う 照会における工夫

『関連情報を削除した加入者情報』に限定した照会
→回答が得られやすい
※『自由と正義11年12月』日本弁護士連合会p30〜

6 プロバイダ×弁護士会照会|サイト・アプリ運営者も含まれる

オンラインでの名誉毀損その他の権利侵害についての開示手続があります。
これは『弁護士会照会』とは別の手続ですが,便宜的にここで紹介します。
照会先の対応の実情についてまとめました。

<プロバイダ×弁護士会照会>

あ 照会の対象|例

ア プロバイダ
イ サイト・アプリ運営者

あ 任意の開示請求

ア 法的根拠
プロバイダ責任制限法による発信者情報の開示請求
→拒否事例が多い
理由=『権利侵害の明白性』が不明

い 弁護士会照会

同様に拒否事例が多い
→訴訟提起が必要ということになる
※『自由と正義11年12月』日本弁護士連合会p28〜

プロバイダ責任制限法による開示手続などは別記事で説明しています。
詳しくはこちら|発信者情報開示請求|基本|オンラインの誹謗中傷・名誉毀損→加害者特定