1 刑事和解|刑事裁判において損害賠償の合意を記録化する
2 刑事和解|利用実績=十分に活用されていない
3 損害賠償命令手続|刑事裁判で損害賠償の判断|対象事案
4 損害賠償命令手続|申立|刑事裁判の係属中に申し立てる
5 損害賠償命令手続|審理|スピーディー+加害者との対面回避
6 損害賠償命令手続|命令|債務名義になる・異議申出ができる

1 刑事和解|刑事裁判において損害賠償の合意を記録化する

<刑事和解制度>

あ 制度概要

刑事訴訟での裁判所の調書に和解内容を記録する

い 申立

ア 前提
すでに和解=合意が成立している
イ 申立
被害者・被告人(加害者)が共同で裁判所に申し立てる
申立手数料=2000円

う 調書化

裁判所が和解内容を調書に記録する

え 債務名義

和解内容に不履行があった場合
→強制執行ができる

お 被告人の情状

『示談成立』→被告人に有利な情状となる
※犯罪被害者保護法19条

『強制執行ができる』ものを『債務名義』と言います。
これについては別記事で説明しています。
詳しくはこちら|債務名義の種類|確定判決・和解調書・公正証書(執行証書)など

2 刑事和解|利用実績=十分に活用されていない

刑事和解は制度導入後,十分には活用されていません。
和解成立のタイミングによっては有利な活用ができるケースもあります。

<刑事和解|利用実績>

あ 平成12年11月(制度導入)〜平成21年

449件

い 平成21年度

46件

う まとめ

十分に活用されていないと言える
※『月報司法書士11年9月』日本司法書士会連合会p22

3 損害賠償命令手続|刑事裁判で損害賠償の判断|対象事案

被害者が刑事裁判で損害賠償の判断を求める制度があります。
まずは概要をまとめます。

<損害賠償命令手続|概要・対象事案>

あ 制度概要

刑事裁判に付随して,民事的な損害賠償の審査を行う

い 対象事案

主な対象=故意による死亡or負傷事案
過失による交通事故については対象外である

4 損害賠償命令手続|申立|刑事裁判の係属中に申し立てる

損害賠償命令手続の申立段階についての説明をまとめます。

<損害賠償命令手続|申立>

あ 損害賠償命令の申立

ア 申立人
被害者・その相続人
イ 申立先
刑事事件が係属している裁判所

い 指定しておくと良い事項

『異議が出されて移行した民事訴訟』における裁判所
例;簡易裁判所
※犯罪被害者保護法23条

5 損害賠償命令手続|審理|スピーディー+加害者との対面回避

損害賠償命令の審理プロセスについてまとめます。

<損害賠償命令手続|審理>

あ 審理スピード

原則として4回以内の期日で命令(裁判)がなされる

い 審理手続|任意的口頭弁論

刑事被告事件終了後の場合
→審理手続では口頭弁論は任意である

う 審理手続|口頭弁論をしない場合

当事者の『審尋』だけで進めることになる
=加害者と対面せずに済む
※犯罪被害者保護法23条,29条

6 損害賠償命令手続|命令|債務名義になる・異議申出ができる

損害賠償命令手続の最後に『命令』が出されます。
裁判所の判断結果です。
ネーミングは異なりますが『判決』と同じようなものです。
『命令』の内容についてまとめます。

<損害賠償命令手続|命令>

あ 仮の強制力

仮執行宣言が付けられることもある
→強制的な執行力がある

い 不服申立=異議

当事者(被害者・被告人)は異議申出ができる
→通常の民事訴訟に移行する
異議申出期間=告知から2週間

う 債務名義化

不服申立がない場合
→損害賠償命令が確定する
→不履行があった時に強制執行ができる
※犯罪被害者保護法32条,34条