1 社会進化論・進化生物学|類似性
2 地球の歴史|種の進化・新陳代謝
3 ビジネスプレイヤーの新陳代謝×恐竜絶滅イベント
4 全球凍結|数億年間,地球全体がスノーボールとなった記憶|仮説
5 全球凍結×大量絶滅|ヒトのDNAを伝承してくれた微生物に感謝
6 全球凍結×『進化促進効果』|『瀕死→復活でパワーアップ現象』は普遍的
7 恐竜絶滅・補足情報|衝突の冬・津波300メートル
8 全球凍結2回目・補足情報|哺乳類の祖先は鞭毛虫
9 全球凍結1回目・補足情報|シアノバクテリアが原因
10 参考情報・注意=他説への配慮|サイエンスには判例なし

1 社会進化論・進化生物学|類似性

本記事ではビジネスと生物の『淘汰・新陳代謝』について話します。
まず,生物の進化と産業・社会の進化の類似性が指摘されています。

<社会進化論・進化生物学|類似性>

あ 社会進化学

ハーバード・スペンサー@イングランド
『最適者生存』という用語を造った

い 進化生物学

チャールズ・ダーウィン@イングランド
『自然選択』という用語を造った
『最適者生存』と同じ概念であることも示した
※ダーウィン『On the Origin of Species(種の起源)』ジョン・マーレー出版社
※ジェレミー・リフキン『限界費用ゼロ社会』NHK出版・Kindle版・位置1655

当然,ビジネスモデルと自然界の生物の生態では違う部分もあります。
本記事では,厳密な『関連性』には踏み込みません。
いずれにしても類似しているイベントがありますのでまとめます。

2 地球の歴史|種の進化・新陳代謝

社会では,ビジネスプレイヤーの『新陳代謝』が生じます。
特に新テクノロジーに関するビジネスでは頻繁に生じています。
詳しくはこちら|新テクノロジーはベンチャーの聖域|大企業バリアー|開発スピード・リスクテイク
これについて,地球レベルでの生態系と類似することが指摘できます。
詳しくはこちら|マーケットメカニズムの基本|自由経済・商品流通の最適化・供給者の新陳代謝
地球レベルの生態系での特大規模の『新陳代謝』が2つ挙げられます。

<地球の歴史|種の進化・新陳代謝>

あ 恐竜絶滅
い 全球凍結

これらの内容・ビジネスの新陳代謝との対比を順に整理してゆきます。

3 ビジネスプレイヤーの新陳代謝×恐竜絶滅イベント

約6600万年前まで,地球には恐竜が頂点に立つ生態系が栄えていました。
そこで,『小惑星衝突』という大事件が起こりました。
結果的に中生代・白亜紀が幕を下ろし,新生代(第三紀)へのチェンジが実施されたのです。
この現象が,ビジネスプレイヤーの新陳代謝と類似しているのです。

<ビジネスプレイヤーの新陳代謝×恐竜絶滅イベント>

フェーズ=時代 地球の歴史・生物種の進化 ビジネスプレイヤー
大きいだけでシェア拡大 恐竜全盛期=約6600万年前まで インターネッツ普及前まで
歴史的イベント発生 ユカタン半島に小惑星衝突 インターネッツ+スマホ普及
痛みを伴う大変革=リセット現象 大量絶滅;約8割の生物種 情報流通の自由化・民主化→既得権崩壊
新時代=最適化のリスタート 賢い者が生き残る 社会への提供価値が大きい事業が生き残る

衝突についてはサイエンス的に興味深い現象がありました。
本記事のテーマから外れるので末尾にまとめます。

4 全球凍結|数億年間,地球全体がスノーボールとなった記憶|仮説

地球の歴史上の『大量絶滅』を生じた『ビッグイベント』は恐竜絶滅だけでありません。
恐竜絶滅という最近のニュースに人気を奪われている『全球凍結』仮説についてピックアップします。
この見解によれば,地球は少なくとも2回『全面的な氷結・凍結状態』を経験しています。

<全球凍結による大量絶滅>

あ 全球凍結=スノーボール・アース

地球全体が赤道付近も含め完全に氷床や海氷に覆われた状態

い 凍結脱出・凍結期間

ア 凍結脱出メカニズム
火山からの微量のCO2排出+海水によるCO2吸収なし(界面は凍結しているため)
→CO2濃度上昇→温室効果→熱の蓄積機能アップ
イ 凍結期間=約1000万年〜数億年(後述)
地球の歴史としては一瞬

う 生物種への影響

ア 壊滅的なダメージ
大量の種が絶滅した
イ 新時代に最適化された生態系の誕生 
過去の生態系の影響が断ち切られた=しがらみフリー状態
新時代に最適化された全く新しい生態系が誕生した
『進化した種』の発現もある

以前から仮説として提唱されていましたが,最近の研究で,より信憑性がアップしてます(後述)。

5 全球凍結×大量絶滅|ヒトのDNAを伝承してくれた微生物に感謝

全球凍結は生物種にとって,とてつもない大ダメージを与えました。
瀕死の状態,と言えるでしょう。

<全球凍結×大ダメージ>

あ 大量絶滅を生じた

極度の低温が数千万年〜数億年続いた
→通常の生物は生命を維持できなくなった

い DNAの承継は絶えなかった

生命が維持(DNA承継)されたのは微生物のみと考えられている

エリア 熱の確保
地上 火山の付近(地熱地帯)
海底 熱水噴出孔の付近
氷の中 生命活動停止で耐えた(※1)

※1 現在でもシアノバクテリアが南極で棲息している

現在繁栄しているヒトに伝承されるDNAは,数億年程度微生物がキープしていてくれたのです(後述)。
微生物に感謝したくなります。

6 全球凍結×『進化促進効果』|『瀕死→復活でパワーアップ現象』は普遍的

瀕死の地球(に生息する生物種)は,凍結脱出で再び賑やかになります。
しかし,メンバーチェンジが生じるのです。
しかも,より進んだメンバーが加わっているのです。

<全球凍結×『進化促進効果』>

あ 痛みを伴った『大きな前進』

全球凍結からの回復後に『生物種に画期的な進歩』が生じている

い 全球凍結回復×生物種の進化
全球凍結の回 時期 回復後→生物種の進化
1回目 約22億年前 真核生物の誕生
2回目 6.35〜7.3億年前 多細胞生物の誕生
う 共通メカニズム

『瀕死のダメージ→大きな前進』という現象はいくつかのテーマで観察される
ア 全球凍結→生物種の発展
イ 新テクノロジー開発・普及→ビジネスプレイヤーの一新
ウ サイア人(鳥山明氏;ドラゴンボール)

アニメーションの世界の中の現象は,自然界の現象をヒントにしているものかどうかは判明していません。
いずれにしても『瀕死からの回復』は『マイナス=ダメージ』ばかりではない,という結果です。
『苦あれば楽ある』と言ってしまうのはチープ過ぎる,大自然の教訓と思えます。

以下,サイエンス的な補足情報をまとめます。

7 恐竜絶滅・補足情報|衝突の冬・津波300メートル

<恐竜絶滅|補足情報>

あ 年代認定

以前は『約6550万年前』という認定がメジャーだった
現在は地層の年代推定が進み『約6600万年前』という説が有力となっている
※国際年代層序表;12年8月改訂

い 衝突情報

ア 小惑星の大きさ
直径約10キロメートル
イ 衝突場所
ユカタン半島
→当時は浅い海の底であった

う 衝突直後の現象

ア 小惑星蒸発
小惑星は数万℃に達して蒸発した
イ 津波300メートル
約300メートルの津波が発生した

え 衝突の冬

ア 太陽光遮断
煙・すすが数年間にわたり地球全体の上空に滞在した
→植物が光合成できなくなった
→大部分が枯れ果てた
→動物が飢餓状態になった
イ 酸性雨
衝突地点の岩石から硫黄酸化物が大量に上空に舞い上がった
→強度の酸性雨が地球全体に降った
→特に水中の生物が壊滅的なダメージを受けた

8 全球凍結2回目・補足情報|哺乳類の祖先は鞭毛虫

<2回目の全球凍結>

あ 時期

約6億5000万年前

い 気温

地球全体の平均気温=マイナス40℃
赤道上の気温=マイナス30℃

う 氷の厚さ

約1キロメートル

え 継続期間

約1000万年×2回
『6〜8億年前』の間に,細かく分けると『2回』が含まれている
全体と通すと『数億年』と言える←間に『解凍時期』も含む

お 哺乳類(ヒト含む)の祖先|避難中

単細胞生物
例;鞭毛虫

9 全球凍結1回目・補足情報|シアノバクテリアが原因

<1回目の全球凍結>

約22億年前
原因=シアノバクテリアがCO2を吸収した

10 参考情報・注意=他説への配慮|サイエンスには判例なし

以上のサイエンスの見解は仮説です。
法律実務における証明力・事実認定としては『完全』ではありません。
参考情報と注意事項を最後にまとめておきます。

<参考情報>

あ 『Geochemistry, Geophysics, Geosystems』

東京大学大学院・海洋研究開発機構・カリフォルニア工科大学
10年7月5日オンライン速報版

い 『Nature』2010年10月27日オンライン速報版
う 『Newton』2015年7月号p34,54,60

<注意;他説への配慮>

恐竜絶滅,全球凍結については諸説(他の見解)もある
判例のような公的な統一的・画一的見解があるわけではない