1 グレーゾーン解消制度|行政庁の公式見解ヒアリング
2 行政庁の見解の効力|法の支配・現実的な解釈論
3 グレーゾーン解消制度|利用対象者=新事業活動予定者
4 グレーゾーン解消制度|公式見解の確認事項
5 グレーゾーン解消制度|行政庁は公式見解の回答義務がある
6 グレーゾーン解消制度|活用実績|経済産業省の公表

行政庁の公式ヒアリング制度として創設された『グレーゾーン解消制度』について説明します。

1 グレーゾーン解消制度|行政庁の公式見解ヒアリング

シェアリングビジネスその他の『新しいビジネスモデル』の構築では『行政庁の見解』が重要です。
従前は『非公式のヒアリング』を行う方法が取られていました。
詳しくはこちら|シェアリング事業×弁護士のサポート|意見書・許認可申請代行・法律顧問
この点,平成26年から,行政庁の見解を質問し,回答を得る正式な制度が創設されています。
『グレーゾーン解消制度』の概要をまずはまとめます。

<グレーゾーン解消制度|公式ヒアリング|概要>

あ グレーゾーン解消制度利用対象者

『新事業活動』を実施しようとする者

い 調査(確認)要求

主務大臣に一定の事項の照会ができる
=照会書を提出する

う 行政庁の回答

行政機関は回答義務がある
=照会者は行政庁の公式見解を得られる
※産業競争力強化法9条

え 制度の創設

産業競争力強化法による『ベンチャー支援措置』の1つ
平成26年1月20日(施行)以降利用できるようになった

2 行政庁の見解の効力|法の支配・現実的な解釈論

一般的な『行政庁の見解』の位置付け・効力についてまとめます。

<行政庁の公式見解の意義>

あ 裁判所の判断・見解との関係

法令の解釈・適用についての『行政機関の』見解
→『裁判所』の法解釈・適用=見解の方が優先である
※憲法32条,81条;法の支配

い 事実上の効力

行政機関の公式見解に従った行為について
→『法的責任』が生じる可能性は非常に低い

う 行政機関の見解が『強い』理由|実質論

ア 『非難可能性=責任』の根拠が乏しい
イ 『予測可能性』を欠く

3 グレーゾーン解消制度|利用対象者=新事業活動予定者

グレーゾーン解消制度によって公式のヒアリングを利用することができる者の範囲をまとめます。

<『新事業活動』の定義>

あ 『新事業活動』の定義

次のいずれをも満たす事業
ア 新たな事業活動
イ 産業競争力の強化に資する
ウ 生産性の向上or新たな需要の開拓が見込まれる
エ 公の秩序or善良の風俗を害するおそれがない

い 『新たな事業活動』|例示

新商品の開発・生産
新たな役務の開発・提供
商品の新たな生産・販売の方式の導入
役務の新たな提供の方式の導入
※産業競争力強化法2条3項
※産業競争力強化法施行規則2条

実際には,この『確認申請』を代理人として弁護士が行うこともよくあります。

4 グレーゾーン解消制度|公式見解の確認事項

グレーゾーン解消制度で回答を求めることができる対象事項をまとめます。

<グレーゾーン解消制度|公式ヒアリング|確認事項>

あ 要求できる調査(確認)対象の法令

実施しようとする新事業活動・これに関連する事業活動に関する規制
=法律・命令・告示の規定

い 要求できる調査(確認)事項

ア 規定の解釈
イ 適用の有無
新事業活動・これに関連する事業活動に対する規定の適用の有無
※産業競争力強化法9条

5 グレーゾーン解消制度|行政庁は公式見解の回答義務がある

グレーゾーン解消制度によって『確認申請を受けた行政庁』の対応についてまとめます。

<グレーゾーン解消制度|公式ヒアリング|回答義務>

あ 行政機関の回答義務

行政機関は照会内容(法令の解釈・適用の有無)を遅滞なく回答する
回答期限は原則として1か月以内とする

い 調査の代行義務

照会事項が『他の行政機関の所管』であった場合
→当該関係行政機関に対して確認・回答を求める
→要請を受けた行政機関は,遅滞なく,発注元行政機関(主務大臣)に回答する
→発注元行政機関は,遅滞なく,この回答内容を『照会請求者』に通知する
回答期限は原則として1か月以内とする
※産業競争力強化法9条
※施行規則6条3項,5項

6 グレーゾーン解消制度|活用実績|経済産業省の公表

既にグレーゾーン解消制度で法的な『グレー』部分をクリアにしている事例もあります。
その一部について経済産業省が『回答結果』を公表しています。
これを紹介します。

<公表された『法解釈・適用』の回答内容>

経済産業省が所管となる事業に関する『確認申請』の結果が公表されている
外部サイト|経済産業省|グレーゾーン解消制度の活用実績