【発信者情報開示請求|基本|オンラインの誹謗中傷・名誉毀損→加害者特定】

1 SNS・オンラインの誹謗中傷・名誉毀損|加害者の特定
2 発信者情報開示請求|要件
3 発信者情報開示請求|不開示×ペナルティ
4 『誹謗中傷の投稿』に関する当事者の整理|発信者情報開示請求のルート
5 発信者情報開示請求|具体的手続

1 SNS・オンラインの誹謗中傷・名誉毀損|加害者の特定

法律上,悪質な投稿については,投稿者には法的責任が生じます。
詳しくはこちら|撮影・誹謗中傷投稿×法的責任の種類|判断基準の概要
現実には,被害者が損害賠償を請求する場合,その前提として,加害者を特定する必要があります。
特に,悪質な投稿が同一人物が繰り返し行なっているような場合は『加害者の特定』を行うことが解決につながります。
この点,プロバイダ責任制限法によって『発信者情報開示請求』が規定され,開示→責任追及の実現,がやりやすくなりました。

2 発信者情報開示請求|要件

プロバイダ責任制限法では,次のような条件で,発信者情報開示請求が認められます。

<発信者情報開示請求の要件>

あ 被害者の権利侵害が発信者によって行われたことが『明らか』である

『侵害』については,権利の種類によって細かい要件がある
『公共性・公益性』などにより,『侵害に当たらない』ということもある

い 開示を受ける正当な理由がある

例;損害賠償請求を行うため
※プロバイダ責任制限法4条1項

実務上,権利侵害についての『明らか』という要件のハードルが高いです。
具体的には,サイト等の管理者・運営者が『任意には開示に応じない』ということが多いです。
もちろん相手が任意に応じることもあります。
小規模の運営事業者の場合,対応のばらつきが大きいです。
経由プロバイダは任意には応じない,という傾向が強いです。

3 発信者情報開示請求|不開示×ペナルティ

発信者情報開示請求に対して管理者が開示を拒否した場合のペナルティがあります。

<発信者情報開示請求|不開示×ペナルティ>

故意・重大な過失がある場合に限って,被害者に対する賠償義務がある
※プロバイダ責任制限法4条4項

要するに『開示要件を満たす=開示義務がある』という前提があるのに『開示しなかった』という場合の責任です。

4 『誹謗中傷の投稿』に関する当事者の整理|発信者情報開示請求のルート

『SNSやインターネットの投稿』や閲覧は容易ですが,背後にあるシステム・当事者は複雑です。
当然,発信者情報開示請求をしていく時は『投稿のルート・プロセス』をさかのぼる,ということになるのです。
関係する『当事者』を整理しておきます。

<関係する当事者の整理>

あ 被害者
い コンテンツプロバイダ

ア サーバ運営者イ ウェブサイト運営者ウ アプリ・掲示板等運営者

う 接続プロバイダ

加害者が加入しているプロバイダ(ISP)

え 加害者

5 発信者情報開示請求|具体的手続

実際に1段階ずつ『さかのぼる』ことにより発信者を特定する必要があります。
具体的な開示請求の手続については別記事にまとめてあります。
(別記事『具体的手続』;リンクは末尾に表示)

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