【調査会社・探偵・興信所|相手方の財産や住所の調査】

1 調査会社の調査により,相手の住所が発覚することも多い
2 債権回収においては,相手の財産の把握が必要となる
3 調査会社の調査により,相手の財産が発覚することも多い
4 調査会社は『選ぶ』ことが重要|弁護士の紹介が安全

1 調査会社の調査により,相手の住所が発覚することも多い

(1)相手の住所が必要とされる

訴訟,差押などの手続において,一般的に相手の住所が必要とされます。
この点,公的な情報として住民票や戸籍の調査があります。
弁護士に依頼した場合はよく行なわれる方法です。
しかし,古い情報のままということもあります。
このような場合,公的調査ができない,ということになります。
詳しくはこちら|『住所』の意味|住所の調査・手続での利用|全体
詳しくはこちら|当事者の特定|公的調査|不動産登記・住民票・戸籍
もちろん,相手方の居場所の見当がまったく付かない,という状況ということもあります。
このような場合は,尾行によって居場所を突き止めることができません。

(2)調査会社は住所も調査対象にしている

この点,個人の住所についても,調査会社は調査対象にしています。
一般に探偵興信所と言うこともあります。
調査会社の調査により,相手の住所の手がかりがほとんどなくても,実際には,発覚するケースが多いです。
人が1人生活していれば,その足跡を全く残さないことなどできません。
特に,きちんと会社勤めしている人などであれば,実際に,勤務先や住所が発覚することが多いです。

2 債権回収においては,相手の財産の把握が必要となる

差押などをする場合,相手の財産を把握し,一定の特定が必要とされます。
詳しくはこちら|差押対象財産の典型例
裁判所が行う『財産開示制度』もありますが,法令順守のポリシーを持たない相手には効果がないことも多いです。
詳しくはこちら|裁判所による債務者の財産調査(財産開示手続の全体)
また,弁護士が,弁護士会を経由して行う『弁護士会照会』という手続もあります。
これは,プライバシー保護のために弁護士会が審査を通さない,ということもあります。
詳しくはこちら|弁護士会照会|基本|公的性格・調査対象・手続の流れ

3 調査会社の調査により,相手の財産が発覚することも多い

調査会社であれば,各種財産を突き止めることを依頼できます。
次のように,差押につながることになります。

<調査会社により発覚する財産の典型例>

発覚した情報 回収方法
勤務先 →給料の差押
預貯金口座 →預貯金の差押
加入している保険 →解約返戻金の差押

実際には,何らかの財産が発覚することが多いです。
また,勤務先の調査,特定の場合に尾行を行う方法は一般的ではないようです。
費用が過大にかかる割には発覚しないということにはならないのが通常です。

4 調査会社は『選ぶ』ことが重要|弁護士の紹介が安全

(1)調査会社は公的なクオリティチェックがない

調査を引き受ける民間の事業者を『調査会社』『探偵』『興信所』などと呼んでいます。
『調査会社』としての,公的資格や許認可制度はありません。
この点『探偵業』については公安委員会への届出が義務付けられています(探偵業法2条)。
『届出』だけなので,実質的な『クオリティの審査』はないと言えます。
さらに『探偵業務』は尾行・張り込みなどの『行動調査』だけが対象です。
財産調査・信用調査といった,いわゆる『机上調査』については対象外です。
財産・信用調査を行う事業者は届出すら不要なのです。

(2)調査会社への依頼に関するトラブルは多い

そこで,調査会社の中には残念ながら『信頼性が低い』事業者も存在します。
国民生活センター受ける苦情のうち,調査会社に関するものは多い部類です。
また実際に『調査費用の返還請求』という形でトラブルが具体化しているケースもあります。

(3)弁護士の紹介で調査会社を選ぶと安全

弁護士は受任した業務の遂行のために『調査』を必要とすることが多いです。
通常,継続的な業務上の付き合いのある調査会社が存在します。
ですから,弁護士に調査会社を紹介してもらう,というのは合理的で安全な方法です。
この点,一般論としては『関連事業者の紹介を受ける→中間マージン分が上乗せされる』というリスクがあります。
特に建物の建築の場面では規模が大きいです。信頼と上乗せ費用でジレンマに陥るということは業界の常識です。
しかし,弁護士は『紹介料』『中間マージン』の取得が禁止されています(弁護士職務基本規程13条2項)。
その分,弁護士が紹介した件については,調査料金について顧客が割引を受けられることもあります。
いずれにしても安心して『調査会社を選ぶ』ことができるのです。

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