1 無効な契約を締結した責任(基本)
2 原始的不能による不法行為責任(裁判例)

1 無効な契約を締結した責任(基本)

『契約締結上の過失』に含まれる責任の1つに,無効な契約の締結という類型があります。
詳しくはこちら|契約締結上の過失(全体)
本記事では,無効な契約を締結した責任について説明します。
契約が無効なので,責任は発生しないのが原則です。
しかし,例外的に当事者の責任が発生することもあります。

<無効な契約を締結した責任(基本)>

あ 前提事情

いったん契約を締結したが無効となった

い 無効の分類

ア 原始的無効
原始的不能により契約が当初から無効であった(後記※1)
イ 遡及的無効
無効原因の存在により契約が遡及的に無効となった
例;錯誤など

う 責任

無効な契約を締結したことについて
→責任が認められることがある
※能見善久ほか『論点体系 判例民法5 第2版』第一法規出版2013年p18

2 原始的不能による不法行為責任(裁判例)

無効な契約の締結による責任(前記)の具体的事例はあまり多くありません。
契約が原始的不能となったケースの裁判例がありますので紹介します。

<原始的不能による不法行為責任(裁判例;※1)>

あ 事案

不動産会社と建設会社が等価交換契約を締結した
一部原始的不能であった
→契約の一部が無効であった

い 裁判所の判断

不法行為責任を認めた
過失相殺=4割
※東京高裁昭和61年4月24日