1 売買後の道路位置指定の発覚と損害賠償(総論)
2 売買後の道路位置指定・隅切りの発覚
3 道路位置指定・隅切りと瑕疵担保(肯定判断)

1 売買後の道路位置指定の発覚と損害賠償(総論)

私有地について道路位置指定や隅切りがあるとその部分は建築ができないなどの規制を受けます。
詳しくはこちら|建築基準法の『道路』の種類
土地の売買の後にこのような規制が発覚すると,買主は想定外の損失を受けます。
本記事では,このようなケースで,裁判所が瑕疵担保責任による損害賠償責任を認めた事例を紹介します。

2 売買後の道路位置指定・隅切りの発覚

土地の売買契約とその後の法令による利用制限が発覚した経緯をまとめます。

<売買後の道路位置指定・隅切りの発覚>

あ 売買の当事者

売主A
買主B
AとBは土地甲について売買契約を締結した
Bは,住宅建築用地として購入した
AはBに土地甲の使用制限について説明していない

い 道路位置指定の発覚

『ア・イ』は道路位置指定がなされていた
ア 土地甲の北側部分の幅員2メートルの範囲
イ 北側に隣接する土地乙の南側部分の幅員2メートルの範囲

う 隅切りの発覚

土地甲の3つの角は隅切りがなされていた
しかし,隅切り前の角に境界杭が設置されていた
売主から買主に渡した測量図について
→隅切り前の角を起点とした測量内容が記載されていた
隅切りの位置は現地の状況からは判明できなかった

3 道路位置指定・隅切りと瑕疵担保(肯定判断)

前記の事例について,裁判所は瑕疵担保責任を認めました。
損害賠償だけ認め,解除は認めませんでした。

<道路位置指定・隅切りと瑕疵担保(肯定判断)>

あ 瑕疵の判断

道路位置指定・隅切り部分は使用の制限を受ける
詳しくはこちら|建築基準法の『道路』の種類
→瑕疵にあたる

い 瑕疵担保責任の内容

ア 損害賠償
損害賠償責任を認める
イ 解除
売買契約の目的は達成できる
→解除は認めない

う 債務不履行の判断

売主も使用制限を知らなかった
→債務不履行にはあたらない