【土地売買後の境界の不確定の発覚による瑕疵担保責任(肯定裁判例)】

1 境界の未確定と売買に関する責任(総論)
2 境界の未確定と瑕疵担保責任(肯定裁判例)

1 境界の未確定と売買に関する責任(総論)

土地の境界が確定していないと,建物の建築や売却で大きな支障となります。
そこで,一般的には売買において境界が確定していることは当然の前提となります。
詳しくはこちら|土地の境界(筆界)の確定が必要な状況や確定させる工夫
実際には,売買契約を締結した後で,境界の一部が未確定であることが発覚することがあります。
通常は瑕疵担保責任や調査・説明義務違反などの法的責任が発生します。
本記事では,境界が未確定であったことにより瑕疵担保責任が認められた裁判例を紹介します。

2 境界の未確定と瑕疵担保責任(肯定裁判例)

境界が確定していなかったことを『隠れた瑕疵』であると認めた裁判例です。

<境界の未確定と瑕疵担保責任(肯定裁判例)>

あ 事案

購入した土地について
他人の所有する土地と部分的に重なり合う疑いが生じた
公図・地積測量図からも相当の可能性をもって疑われる
単に隣地所有者の主観的な言い掛りとは言えない

い 法律的な解決の必要性

購入した土地の所有権について
将来訴訟などの手段により法的に解決する必要がある

う 法律的瑕疵

法律的な支障がある
→売買の目的物に『瑕疵』が存在する
※京都地裁昭和62年12月10日

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