1 共有がトラブルを生じる要因
2 共有関係の経緯・関係性|概要
3 共有×本質的弊害論
4 トラブル発生後|弊害スパイラル
5 共有・本質論|私有財産制
6 共有関係の解消|概要

1 共有がトラブルを生じる要因

共有という関係はトラブルを生じることが多いです。
その理由・要因を整理します。

<共有がトラブルを生じる要因>

あ 基本

共有者で協議して決めることが多い
→意見の対立・紛争が生じやすい
この関係が無期限に継続する
相続により『関係の希薄な人』が増える

い 協議・決定事項|基本

共有物の管理・変更行為
※最高裁昭和62年4月22日
詳しくはこちら|共有物の変更・管理・保存|基本|必要な共有者の持分割合

う 協議・決定事項|具体例

ア 占有する者
イ 占有の対価
ウ 『管理』行為・管理方法
例;第三者に賃貸する
エ 収益物件の対価の分配

2 共有関係の経緯・関係性|概要

共有関係が生じるには背景・経緯があります。
つまり,共有者間には親族などの関係性があるのが通常です。
関係性が良好であることで共有状態が保たれます。
逆に,関係が悪化すると多くの問題が生じるのです。
共有関係の背景については別に説明しています。
詳しくはこちら|共有関係が生じる経緯・共有者間の関係性

3 共有×本質的弊害論

共有の状態は法的トラブルを生じやすいです。
共有の本質的な性格が弊害の要因となるのです。
このことについて整理します。

<共有×本質的弊害論>

あ 共有・本質

持分権が互いに制約し合う関係に立つ

い 一般的傾向

各共有者の意向について
例;対象物の利用or改善など
→十分配慮されない状態に置かれる傾向がある
※最高裁昭和62年4月22日

4 トラブル発生後|弊害スパイラル

共有に関するトラブルはいったん発生すると厄介です。
対立がより深まるという傾向があるのです。

<トラブル発生後|弊害スパイラル>

あ 前提事情

共有者間に意見の対立・紛争が生じた

い 弊害スパイラル

共有物の管理・変更などに支障が生じる
→対象物の経済的価値が十分に実現されなくなる
=経済的効用が十分に発揮されない

う トラブル無期限

共有状態が続く限り対立は継続する
→共有状態を解消しない限り解決しない
※最高裁昭和62年4月22日

5 共有・本質論|私有財産制

共有は問題をはらむ状態と言えます(前記)。
さかのぼって考えると『私有財産制』に行き着きます。
判例でもこのことが指摘されています。

<共有・本質論|私有財産制>

私有財産制は近代市民社会の要素である
近代市民社会における原則的所有形態について
→単独所有である
共有は暫定的な状態と言える
※最高裁昭和62年4月22日

6 共有関係の解消|概要

以上の説明のように共有という状態は好ましくありません。
そこで共有を解消するニーズはとても強いです。
法律上も共有から離脱する方法・手続が用意されています。
これについては別に説明しています。
詳しくはこちら|共有関係からの離脱・解消|方法・典型的経緯