1 前提|時効完成後の第三者→対抗関係
2 入会団体の構成員×時効完成後の第三者

1 前提|時効完成後の第三者→対抗関係

入会団体の財産について取得時効が成立することがあります。
この場合,ちょっと複雑な解釈が生じます。
この解釈では,一般的な『時効と対抗関係』の解釈が前提となります。
そこでまずは,一般的な時効と対抗関係の解釈論を整理します。

<前提|時効完成後の第三者→対抗関係>

あ 事案|時効完成後の第三者

不動産をAが所有していた
Bが長期間占有した
取得時効によりBが所有権を取得した
Aが第三者Cに不動産を譲渡した

い 対抗関係

BとCは対抗関係にある
先に登記を得た方が確定的な所有権を取得する
※民法177条
※最高裁昭和33年8月28日
詳しくはこちら|対抗関係・『正当な利益を有する第三者』|カテゴリ別の該当性判断

2 入会団体の構成員×時効完成後の第三者

入会団体の財産について取得時効が完成したケースがあります。
この場合の登記・対抗関係について,判例の解釈をまとめます。

<入会団体の構成員×時効完成後の第三者>

あ 事案

不動産を入会団体Aが所有していた
Bが長期間占有した
取得時効によりBが所有権を取得した
Aが入会団体の構成員A1に不動産を譲渡した

い 対抗関係

A1が有していたのは使用収益権だけである
共有持分権・管理処分権を有していなかった
A1は『第三者』に該当する
→BとA1は対抗関係にある
→先に登記を得た方が確定的な所有権を取得する
※民法177条
※最高裁昭和48年10月5日