1 遺留分減殺請求による共有×解消|概要
2 遺留分減殺請求の後の共有|性質・解消方法
3 共有持分の相続×遺留分|事案
4 共有持分の相続×遺留分|解釈

1 遺留分減殺請求による共有×解消|概要

遺言がある場合は遺産分割は不要となります。
未確定の遺産共有という状態を避けられるのです。
しかし『遺留分』によって承継内容が変わることがあります。
遺産の中の不動産については通常『共有』となります。
詳しくはこちら|遺留分減殺請求の効果=形成権・減殺の順序・生じやすいトラブル
この『共有』を解消する状況はよく生じます。
本記事では遺留分減殺請求後の共有の解消について説明します。

2 遺留分減殺請求の後の共有|性質・解消方法

遺留分減殺請求をした後は共有が生じます(前記)。
この共有の法的性質と解消方法をまとめます。

<遺留分減殺請求の後の共有|性質・解消方法>

あ 一部減殺

遺留分減殺請求が行われた
減殺が特定の遺贈or贈与の一部の

い 遺留分減殺請求後の共有の法的性質

『あ』の後の共有の性質について
→『物権共有』である

う 分割手続の種類

共有を解消する手続について
→『共有物分割』によるべきである
『遺産分割』はできない
※最高裁昭和50年11月7日
※梶村太市ほか『家事事件手続法 第2版』有斐閣p494
※岡口基一『要件事実マニュアル 第5巻 家事事件・人事訴訟・DV 第3版』ぎょうせいp410

3 共有持分の相続×遺留分|事案

共有持分が遺言により遺贈されたケースがあります。
そして遺留分減殺請求がなされました。
もともとの共有と遺留分による共有が混ざった状態です。
このようなケースについての分割についての判例があります。
ちょっと複雑なので,まずは事案内容だけを整理します。

<共有持分の相続×遺留分|事案(※1)>

あ 相続開始

不動産の共有者はA・Bであった
Aが亡くなった
相続人=B・C
A持分は遺言によりBに承継された

い 遺留分減殺請求

Cは遺留分減殺請求を行った
Cは『8分の1』の共有持分を得るに至った

う 共有持分割合

この時点で次の共有持分割合となった
B=8分の7
C=8分の1

え 分割請求

CがBに対して分割請求を求めた
共有の解消をすることである
※最判平成8年1月26日

4 共有持分の相続×遺留分|解釈

前記事案についての判例の解釈を整理します。

<共有持分の相続×遺留分|解釈>

あ 事案

前記※1の事案を前提とする

い 共有の性質

『遺留分減殺請求により取得した共有持分』について
→確定的な移転である
→『物権共有』である
※最判平成8年1月26日

う 分割手続の種類

『共有物分割』の対象となる