1 共有に関する債権×共有物分割
2 共有に関する債権|内容
3 共有に関する債権×代物弁済
4 共有に関する債権×売却請求
5 代物弁済・売却請求|趣旨・特徴

1 共有に関する債権×共有物分割

共有者間で『共有に関する債権』を請求するケースがあります。
この債権回収のための持分買取権という制度があります。
詳しくはこちら|持分買取権|基本|流れ・期間・起算点・通知方法
これと似ている制度があります。
この制度は『共有物分割』が行われた時だけ使えるものです。
最初に基本的事項をまとめます。

<共有に関する債権×共有物分割>

あ 前提事情(※2)

『共有に関する債権』(後記※1)が存在する
債権者=共有者A
債務者=共有者B
共有物分割でBが財産甲を取得する

い 債権者保護|概要

Aの債権回収のために次の制度がある
ア 代物弁済
この『共有物』を『弁済』に充てることができる(後記※3)
イ 売却請求
この『共有物』を売却するよう請求できる(後記※4)
※民法259条

2 共有に関する債権|内容

前記制度の前提は『共有に関する債権』があることです。
この解釈・内容をまとめます。

<共有に関する債権|内容(※1)>

あ 基本

『共有に関する債権』の内容は次の『い・う』である

い 管理費用

一般的な意味での『管理』の費用

う 保存費用

例;公租公課の負担
※民法259条
※法典調査会『民法議事速記録10巻』p136
外部サイト|国立国会図書館|デジタルコレクション
※『新版注釈民法(7)物権(2)』有斐閣p483

3 共有に関する債権×代物弁済

共有物分割時に使える制度のうち『代物弁済』をまとめます。

<共有に関する債権×代物弁済(※3)>

あ 前提事情

前記※2と同様である

い 債権者による代物弁済請求

Aが『取得の意思表示』をした場合
→財産甲の所有権を取得する
※民法259条1項
※石田穣『民法体系(2)物権法』信山社p388

4 共有に関する債権×売却請求

もう1つの制度は『売却請求』です。
この制度の内容をまとめます。

<共有に関する債権×売却請求(※4)>

あ 前提事情

前記※2と同様である

い 競売申立

Aは競売を裁判所に請求することができる

う 形式的競売

裁判所は財産甲について競売を命じる
→Aは形式的競売を申し立てることができる
※民法259条2項
※石田穣『民法体系(2)物権法』信山社p388

5 代物弁済・売却請求|趣旨・特徴

代物弁済・売却請求の制度の趣旨や特徴をまとめます。

<代物弁済・売却請求|趣旨・特徴>

あ 代物弁済・売却請求|趣旨

共有物に関する債権の回収の手段の1つである
持分買取権(『う』)の代替という位置付けである

い 代物弁済・売却請求|特徴

共有物分割の時だけしか使えない

う 比較|持分買取権

持分買取権も共有物に関する債権の手段である
共有物分割とは関係なく利用できる
詳しくはこちら|持分買取権|基本|流れ・期間・起算点・通知方法