1 無催告解除特約×有効性|原則論
2 無催告解除特約×有効性|制限
3 無催告解除特約|判例・消費者契約の差止請求
4 当然解除特約×有効性|無効となる可能性が高い

1 無催告解除特約×有効性|原則論

債務不履行による解除について『催告を不要』とする特約があります。
まず,借地借家法や旧法=借地法・借家法との抵触の問題についてまとめます。

<無催告解除特約×有効性|原則論>

あ 賃料滞納→無催告解除特約

無催告解除特約の設定自体が借家法に違反することはない
→有効となる可能性がある

い 判例における具体的条項

賃料を3か月分以上遅滞した場合無催告で解除できる
→借家法の強行法規に違反しない
=無効とはならない
※借家法6条
※最高裁昭和37年4月5日

う 賃料滞納以外の事由による解除

無催告解除特約の設定は可能である
※判例多数

2 無催告解除特約×有効性|制限

無催告解除特約の有効性については,一定の制限があります。

<無催告解除特約×有効性|制限>

あ 有効性|概要

『無催告解除』を不合理とする事情がない場合に有効となる

い 合理性判断基準

催告をしなくてもあながち不合理とは認められないような事情
→この事情がある場合に『無催告解除』ができる
※最高裁昭和43年11月21日

無催告解除特約は多くの事例で有効性判断がなされています。
判例や消費者契約法による差止請求の事例について別に説明しています。
(別記事『無催告解除特約・事例』;リンクは末尾に表示)

3 無催告解除特約|判例・消費者契約の差止請求

無催告解除特約の有効性が問題となるケースは多いです。
判例や消費者契約法の差止請求などの具体的事例も多く存在します。
これらについては別に紹介しています。
(別記事『無催告解除特約・事例』;リンクは末尾に表示)

4 当然解除特約×有効性|無効となる可能性が高い

『督促』だけではなく『解除通知』も不要とする特約もあり得ます。
この場合も有効性が問題になります。

<当然解除特約×有効性>

あ 当然解除特約|内容

一定の状況が生じた場合に当然に解除となる
=『催告・解除(通知)』のいずれも不要である

い 当然解除特約|有効性

この効力を認めることが合理的ではない特別の事情がある場合
→解除の効力が生じない
※最高裁昭和51年12月17日

う 注意;判例の特殊性

当然解除特約(条項)が『訴訟上の和解』として成立していた
内容=1か月分の賃料滞納により当然解除となる
裁判所のチェックがなされているので効力を否定するのが困難であった
→一般的な『合意』でも同様の判断になるとは限らない
=一般的には『無効』となる可能性が高いと思われる