1 借地契約の法定更新|期間満了の制限|自動的に更新される
2 借地の終了・更新×『借地借家法/借地法』の区別
3 建物が存在する場合×法定更新|通常適用されるルール
4 建物が存在しない場合×法定更新|基本
5 建物が存在しない場合×法定更新|例外
6 『更新拒絶』のためには『明渡料』などの『正当事由』が必要

1 借地契約の法定更新|期間満了の制限|自動的に更新される

契約の一般論として『契約期間』が満了したら契約は終了します。
しかし,借地については,この原則が大きく修正されています。

<借地契約の法定更新|期間満了の制限>

あ 原則=更新される

『法定更新』という制度

い 例外=借地契約が終了する(概要)

ア 更新拒絶
地主からの『更新拒絶=契約終了』
→『正当事由』がある場合に限って認められる
イ 合意解除
地主・借地人が『終了』に合意すれば終了する

2 借地の終了・更新×『借地借家法/借地法』の区別

借地法から借地借家法へのリニューアルが行われました。
この法律の切り替えで多くのルールが変わります。
『更新』については新/旧法の適用について規定があります。

<借地の終了・更新×『借地借家法/借地法』の区別>

あ 法律の名称

ア 旧法=借地法
イ 新法=借地借家法

い 旧法廃止・新法施行日

平成4年8月1日

う 経過措置|更新関係

施行前に設定された『借地権』に係る契約の『更新』に関して
→なお従前の例による
=『借地法』時代の判例・基準が流用される
※借地借家法附則6条

要するに,新法・旧法の『使い分け』がされるということです。
とは言っても,新法/旧法の違いは『建物が存在しない場合』くらいです(後述)。
よく問題になる『正当事由の基準』(後述)については実質的に同じ,と言えます。

3 建物が存在する場合×法定更新|通常適用されるルール

契約期間満了時に『借地上に建物が存在する』場合のルールをまとめます。
要するにごく一般的・通常のケースで適用されるルールです。
これについては『新法/旧法』の違いはありません。

<建物が存在する場合×法定更新>

借地人からの更新請求 できる
地主からの更新拒絶・使用継続への異議 正当事由が必要

4 建物が存在しない場合×法定更新|基本

借地契約の満了時に借地上に建物が存しない場合は,非常に特殊な扱いとなります。
新法/旧法で違いがあります。

<建物が存在しない場合×法定更新|基本>

あ 借地人からの更新請求

できない

い 法定更新の適用

前提=借地人が(建物以外で)土地の使用を継続している

旧法(借地法) 異議には『正当事由』不要 6条
新法(借地借家法) 『法定更新』自体がない 5条2項

5 建物が存在しない場合×法定更新|例外

『個別的な特殊事情』があると,さらに解釈によるルール修正が行われます。

<建物が存在しない場合×法定更新|例外>

あ 特殊事例

満了近くに建物滅失
→借地人が再築を予定していた
→地主が再築を『禁止』した
→地主が明渡の調停を申し立てた
→調停中に期間満了に至った

い 裁判所の判断

『建物が存在する』と同じ扱いにすべきである
→『更新請求』を否定できない
※借地法4条
※最高裁昭和52年3月15日

6 『更新拒絶』のためには『明渡料』などの『正当事由』が必要

地主が借地契約を終了させるためには,その旨を通知をするだけでは足りません。
『更新拒絶』や『異議』には『正当事由』が必要とされるのです(前述)。
『正当事由』の内容として,多くの事情が考慮されます。
代表的な事情としては,土地を利用する必要性・明渡料の提供などです。
これについては多くの判例を元にして,別記事で整理しています。
詳しくはこちら|借地の更新拒絶・終了における『正当事由』・4つの判断要素の整理