1 休眠担保権抹消手続|公示催告+金銭供託|『弁済期』
2 『弁済期』の判断|基本事項・昭和39年改正
3 『弁済期』の判断|昭和39年改正法施行前の設定
4 『弁済期』の判断|特殊事情|割賦弁済
5 『弁済期』の判断|昭和39年改正法施行後の設定
6 休眠担保権抹消手続|『弁済期』×根抵当権

1 休眠担保権抹消手続|公示催告+金銭供託|『弁済期』

休眠担保権抹消手続の3種類の1つが『公示催告+金銭供託』という方法です。
(別記事『休眠担保権抹消手続・基本』;リンクは末尾に表示)
この要件の1つとして『弁済期から20年が経過した』というものがあります。
本記事では,この『弁済期』の判断に関する事項を説明します。

2 『弁済期』の判断|基本事項・昭和39年改正

『弁済期』の判断の基本的な事項を最初にまとめます。

<『弁済期』の判断|基本事項・昭和39年改正>

あ 基本的判断方法

『設定時』の登記で判断する

い 昭和39年改正

昭和39年に不動産登記法施行細則などが改正された
ア 抵当権登記の『弁済期』は一律に登記事項から除外する
イ 過去の登記の『弁済期』は維持する
ウ 過去の登記を『移記・転写』する際は『弁済期』を除外する
移記・転写がなされるとそれ以降は『弁済期』の記載がない状態となる
→『移記・転写』の元の閉鎖登記簿を見ないと分からないことになる
※昭和39年改正省令附則5条本文

昭和39年改正によって『判断する方法』がちょっと複雑になっています。
具体的な内容を次に説明します。

3 『弁済期』の判断|昭和39年改正法施行前の設定

担保権の設定が昭和39年改正法施行前という場合についてまとめます。

<『弁済期』の判断|昭和39年改正法施行前の設定>

あ 登記上『弁済期』の記載がある場合

登記上の『弁済期』を用いる

い 登記上『弁済期』の記載がない場合

『弁済期の定めがない』ものとする
→債権の『成立の日』を『弁済期』とする
※昭和63年7月1日民3第3499号

う 登記上『弁済期』『成立の日』の記載がない

『担保権設定日』を『弁済期』とする
※昭和63年7月1日民3第3499号

4 『弁済期』の判断|特殊事情|割賦弁済

『割賦弁済』の弁済方法となっている場合は『弁済期』の判断に注意が必要です。

<『弁済期』の判断|特殊事情|割賦弁済>

割賦弁済など
→最終の割賦金の支払期とする
※昭和63年7月1日民3第3499号

5 『弁済期』の判断|昭和39年改正法施行後の設定

担保権が昭和39年改正法施行後に設定された場合についてまとめます。

<『弁済期』の判断|昭和39年改正法施行後の設定>

あ 判断方法|基本事項

もともと『弁済期』が登記事項に含まれていない
→登記簿上から判断できない
→申請人が提出する資料によって判断する
※不動産登記令別表26

い 提出資料|例

ア 金銭消費貸借契約書
イ 弁済猶予証書
ウ 債務者の陳述書
印鑑証明書を添付する
※昭和63年7月1日民3第3456号

6 休眠担保権抹消手続|『弁済期』×根抵当権

根抵当権についても『休眠担保権抹消手続』を利用できます。
この場合の『弁済期』の判断についてまとめます。

<休眠担保権抹消手続|『弁済期』×根抵当権>

あ 判断方法|基本事項

『元本確定日』を用いる

い 『元本確定日』の判断|登記から判明する

登記上記載があるor登記上確定したことが分かる場合
→これを用いる
※民法398条の6第4項,398条の20第1項1号,2号,4号

う 『元本確定日』の判断|登記から判明しない

登記上の情報から元本確定日が判明しない場合
→『設定日から3年が経過した日』とする
※民法398条の19
※昭和63年7月1日民3第3499号