1 行政代執行|前提要件=他の手段がない+公益性
2 行政代執行|執行要件|裁判所の手続は不要
3 行政代執行|執行の手続|大幅緩和=裁判所の関与不要
4 関連する刑事責任=罰則|行政代執行完了後も免除されない

1 行政代執行|前提要件=他の手段がない+公益性

除去命令などの行政による『命令』に相手(義務者)が応じないケースもあります。
このような場合は,行政による強制的な実現手段があります。
『行政代執行』という手続です。

<行政代執行|前提要件>

あ 前提=『命令』

法律により直接に命ぜられた行為
法律に基き行政庁により命ぜられた行為

い 不履行

義務者がこれを履行しない

う 実現可能性・公益性

次のいずれにも該当する
ア 他の手段によつてその履行を確保することが困難である
イ その不履行を放置することが著しく公益に反する
※行政代執行法2条,3条

2 行政代執行|執行要件|裁判所の手続は不要

行政代執行の具体的な執行の段階では一定の手続が必要です。

<行政代執行|執行要件>

あ 事前の戒告(予告)

予め文書で『戒告』する

い 『戒告』内容

『特定の履行期限までに履行がなされない時は代執行を行う』

う 代執行|方法

いずれかの方法が可能である
ア 行政庁が自ら当該行為を行う
イ 行政庁が第三者に当該行為をさせる

え 代執行|費用

行政庁は義務者に『代執行に要した費用』を請求できる
※行政代執行法2条,3条

3 行政代執行|執行の手続|大幅緩和=裁判所の関与不要

一般的に,民間同士での『強制執行』では,裁判所を通すことが必要です。
強制執行を裁判所に申し立てるというプロセスが必要なのです。
この点『行政』が強制的な手段を取る場合は民間よりも大幅に緩和されているのです。
裁判所への申立は不要なのです。
ところで,行政代執行を受ける側が『不当』と主張する場合もあります。
この場合は,相手方が『処分取消・執行停止』などを裁判所に申し立てなくてはならないのです。

4 関連する刑事責任=罰則|行政代執行完了後も免除されない

除去命令違反に対して行政代執行が行われると『解体』が実現します。
一方で,通常は建物所有者などの一定の者が刑事責任を負うことがあります。
つまり,罰則規定の対象となるということです。

<関連する刑事責任=罰則>

あ 罰則の対象行為|例

ア 違法建築を行ったこと
イ 除去命令に応じないこと

い 罰則の内容

法定刑として懲役や罰金が規定されている

う 罰則×行政代執行

刑事責任と行政的処分・措置は別のものとされている
→行政代執行が行われても罰則の適用は免除にならない

刑事責任・罰則について別記事で説明しています。
詳しくはこちら|建築基準法の違反(違法建築)への罰則と行政的措置
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