1 部分的価格賠償|現物分割+価格賠償|概要
2 一部分割|原告グループのみ共有解消
3 一部分割|被告グループのみ共有解消

1 部分的価格賠償|現物分割+価格賠償|概要

共有物分割の分割類型は3つあります。
詳しくはこちら|共有物分割|分割類型|全体
3つの中から複数を組み合わせることもあります。
まずは『現物分割』と『価格賠償』の組み合わせをまとめます。

<部分的価格賠償|現物分割+価格賠償|概要>

あ 内容

現物分割をする
『価値の過不足』について補償金で調整する

い 性格

現物分割と価格賠償の組み合わせである
※最高裁昭和62年4月22日
詳しくはこちら|価格賠償|基本|判例による創設|部分的→全面的|典型的争点

この組み合わせは,その後『全面的価格賠償』に発展しています。

2 一部分割|原告グループのみ共有解消

イレギュラーな分割方法を説明します。
対象財産のうち一部を『共有のまま残す』というものです。
一部だけしか分割していないと言えます。
そこで『一部分割』と呼びます。
ところで『遺産分割』では『共有分割』があります。
一部分割は基本的な分割類型と『共有分割』の組み合わせと言えます。
一部分割の内容・具体例をまとめます。

<一部分割|原告グループのみ共有解消>

あ 分割内容

原告グループの共有状態だけを解消する
被告グループの共有状態は維持する

い 典型例

共有者が多い場合に採用されることがある

う 具体例|判例

原告が2名・被告が8名
被告8名は共有関係の解消を望まない
→原告の持分の限度で現物を分割することができる
被告の共有状態は維持する
※最高裁判所昭和62年4月22日

原告は通常『共有状態解消を望む』者です。
そこで原告グループの共有の解消だけは達成したわけです。

3 一部分割|被告グループのみ共有解消

一部分割にはもう1種類があります。
被告グループのみの共有を解消するタイプです。

<一部分割|被告グループのみ共有解消>

あ 分割内容

被告グループの共有状態だけを解消する
原告グループの共有状態は維持する
※最高裁平成4年1月24日

い 具体例

共有者=A・B・C
Cが共有持分を第三者Dに譲渡した
A・BとしてはDを排除したい
→次のように現物を2つに分割する
ア Dの単独所有
イ A・Bの共有

言わば『新参者を排除する』方式と言えます。