1 取得時効×土地|代表例
2 取得時効|基本
3 取得時効の種類・期間
4 所有の意思・自主占有
5 占有継続の推定|基本
6 占有継続の推定|反対立証

1 取得時効×土地|代表例

本記事では取得時効の基本的時効を説明します。
まず,現実に取得時効が適用される代表的なものを紹介します。

<取得時効×土地|代表例>

隣地の境界が曖昧であった
結果的に一方が越境して占有を継続していた
→越境部分について取得時効が完成した

このように土地の越境・曖昧な境界が背景にあることが多いです。

2 取得時効|基本

取得時効の制度の基本的事項をまとめます。

<取得時効|基本>

あ 要件

所有者以外が『他人の物』を占有していた
占有者は『所有の意思』をもっていた
平穏かつ公然と占有していた
占有が一定期間継続した(※1)

い 効果

占有者は所有権を取得する
※民法162条

3 取得時効の種類・期間

時効完成までの期間は2種類あります。

<取得時効の種類・期間(上記※1)>

占有開始時点の主観 時効期間 民法
善意無過失 10年 162条2項
主観に関係なし 20年 162条1項

4 所有の意思・自主占有

上記のとおり,時効が成立するためには『所有の意思』が必要です。
自分の所有物として占有することを『自主占有』と呼びます。
これについては別に説明しています。
(別記事『所有の意思・自主占有』

5 占有継続の推定|基本

時効が成立するためには『占有の継続』が必要です(前述)。
実務上『長期間の継続した状態』の立証のハードルは高いです。
そこで,法律上,この立証は大きく緩和されています。

<占有継続の推定|基本>

あ 立証時効の簡略化

次の2つの時点における占有を立証する
ア 占有開始時
イ 時効完成時点

い 効果|推定

『あ』の2時点間の占有継続が推定される
※民法186条

6 占有継続の推定|反対立証

占有継続の立証は緩和されています(前述)。
一方,この制度はあくまでも『推定』というものです。
反対の立証により覆すことは可能です。

<占有継続の推定|反対立証>

あ 反対立証|基本

『占有継続』を否定する立証があった場合
→『占有継続の推定』は覆る

い 反対立証|例

『上記2時点の間で,占有が欠ける部分がある』