【不動産登記の事例(類型)】

不動産登記について,具体的な事例を教えてください。

1 贈与登記の具体例
2 マイホーム購入時の登記の例
3 建物新築の登記の例
4 相続の登記の例
5 離婚時の不動産登記の例
6 住宅ローン完済時の不動産登記の例
7 住宅ローン借り換え時の不動産登記の例
8 結婚や離婚で苗字が変わった場合の不動産登記の例

1 贈与登記の具体例

<事例>

将来のことを考えて,不動産を夫婦や親子間で贈与した

贈与登記をしておくと良いです。
贈与登記を行うと良いです。
登記しておかないと贈与自体が結果的に無効となることもあります。

2 マイホーム購入時の登記の例

所有権移転登記を行います。
購入前に登記情報で,所有者をしっかり確認します。
購入時には,代金(残金)と交換として登記を移転してもらうと良いです。
所有権移転登記という手続です。

3 建物新築の登記の例

<事例>

自宅が古くなったので建て替えた

建物の所有権保存登記をすることになります。
新たにな建物について,所有権保存登記を行います。
未登記のままだと後から所有者が分からなくなることもあります。
また,外見上古い建物の登記が生きているような状態となります。
権利関係が誤って適用され,大きなトラブルになることもあります。

4 相続の登記の例

<事例>

相続によって,遺産であった不動産を承継した

所有権移転登記が必要です。
早めに所有権移転登記を行うと良いです。
相続人の間で特に対立がないと,登記を放置してしまうことが多いです。
登記申請の義務はないので,罰則などはありません。
しかし,長期間登記しないままだと,正しい状態に登記を直すために調停や訴訟をしなくてはならないこともあります。

5 離婚時の不動産登記の例

<事例>

離婚をした
マイホームは妻に財産分与として渡すことになった

離婚に際して,不動産を財産分与した場合,住宅ローンの内容を確認した上,所有権移転登記などを行います。
財産分与,ということだけを考えると,所有権移転登記を行うことになります。
ただ,注意が必要です。
一般的に,住宅ローンが残っているケースが多いです。
うまく工夫を凝らさないと債務だけ夫に残ったり,逆に確実に妻に権利が移転しなかったりします。

6 住宅ローン完済時の不動産登記の例

<事例>

住宅ローンを完済した

抵当権が消滅したことになります。
登記上の抵当権登記は自動的に消えるわけではありません。
抵当権の抹消登記をしておくと良いです。
比較的簡単な部類ですが,長期間登記しないままのケースでは,銀行再編・(元)購入者の相続などにより手続きが複雑になることがあります

7 住宅ローン借り換え時の不動産登記の例

<事例>

住宅ローンの借換をすることになった

新ローンの実行と同時に所有不動産への(根)抵当権設定登記を行います。
旧ローンの抵当権が残っている場合,旧ローンの返済と新ローンの融資が同時に行われるので,手続き・資金移動が複雑です。
旧ローンについては,完済されるので,登記上抵当権抹消登記が必要です。
新ローンについては,新たに抵当権設定登記をすることになります。

8 結婚や離婚で苗字が変わった場合の不動産登記の例

<事例>

結婚(離婚)に際して氏を改めることになった
不動産を所有しているけど,登記には古い苗字が載っている

不動産登記上の氏名が,現状の正しいものと一致していない状態です。
登記上の表記を訂正する手続があります。
登記名義人表示変更登記という手続です。
緊急性は高くないですが,やはり長期間経過した後に行うと,戸籍の調査に余分な手間がかかることがあります。

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